シロクマは、
逃げていた。鈴家 マウントクボー・ハセン農園/17.2g → 39.3g/26秒
お風呂につからせるつもりだった。
シロクマの方は、そうは思っていなかった。

いつものルーティーン。お風呂を出て、洗濯物を干す。
それが片付いてから、寝るまでのあいだの余暇の時間。
ここでコーヒーを淹れる。
私にとって、大事な時間である。
一週間の疲れをお風呂で流して、お風呂とコーヒーで心を落ち着かせる。誰にも急かされない、一日でいちばん静かな時間だ。
そして今日は、少しだけ特別だった。
昼間のアートクラフトフェアで見つけた、シロクマのおちょこ。これに、初めてエスプレッソを淹れる。
足元に、溜まっていく
豆は、鈴家のパプアニューギニア、マウントクボー・ハセン農園。17.2gを0,6,0で挽く。
ROKの下におちょこを置いて、アームを下ろす。

落ちはじめたエスプレッソが、シロクマの足元に溜まっていく。
思い描いていたのは、肩までつかってふうと息をつく姿だった。
ところが、実際に見ているとどうも違う。
お風呂に浸かるというより、どんどん上がってくるコーヒーに怯えて、壁際まで逃げているように見えてしまった。
そう見えてしまうと、もうそうとしか見えない。手を胸の前にそろえている姿まで、身をすくめているように思えてくる。
なんとか、顔だけ
今回は抽出量が多めだった。26秒で39.3g。

おかげで、シロクマはなんとか顔だけが出ている状態である。
しかも淹れているあいだに、はねたコーヒーが顔にしっかりかかっていた。
白い顔に、点々と茶色。少し申し訳ない気持ちになる。
楽しんでいたのか、恐怖を感じていたのか。
それは、シロクマにしかわからない。
ただ、器の中で何かが起きているのを眺めるのは、思っていた以上に楽しかった。
すぐに、消えた砂糖
できあがったエスプレッソに、スティックシュガーを入れてみる。

エスプレッソに砂糖を入れるのは、初めてだった。
ところが、入れたそばから砂糖が沈んで消えてしまう。
本来なら、クレマの上にしばらく砂糖がのっているものらしい。すぐに消えたということは、クレマが薄く、シャビシャビだったということである。
それは、見た目からも明白だった。
豆の性格、なのだろう
味はというと、酸味というのか、アルコールのようなキツさを感じた。
苦味はそんなになく、なんとも言えない感じである。
朝にカフェラテにしたときも、少し酸味があると感じていた。ストレートで飲むと、それがいっそうはっきり出てくる。
これは淹れ方の問題なのか、豆の性格なのか。
たぶん、豆の性格なのだろう。
そう思いながらも、どこかで自分の腕を疑っている。豆のせいにしてしまうのは簡単だけれど、それで終わらせたくない気持ちもある。
自分に合った豆に出会うのは、いつになるのだろう。
シロクマは、まだ顔だけ出してこちらを見ている。次はもう少し、落ち着いてつかれるお風呂にしてあげたい。
いい休日を、すこしずつ。
SHOT NOTE
抽出メモ
- 日付
- 2026年10月3日(夜)
- マシン
- ROK EspressoGC
- 豆
- 鈴家 パプアニューギニア マウントクボー・ハセン農園
- 粉量
- 17.2g
- グラインダー
- TIMEMORE C5ESP PRO/0,6,0
- 抽出量
- 39.3g
- 抽出時間
- 26秒
- カップ
- 楽土 シロクマのおちょこ
- 飲み方
- エスプレッソ+スティックシュガー
- クレマ
- 薄くシャビシャビ。砂糖がすぐに沈んだ
- 味
- 酸味というか、アルコールのようなキツさ。苦味は弱い
- あわせたもの
- クッキー
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