シロクマを、
エスプレッソに。楽土/シロクマのおちょこ
お酒は飲まない。
それでも、このおちょこが欲しかった。

10月3日と4日の2日間、浜名湖ガーデンパークで浜名湖アートクラフトフェアが開かれている。
器、布、木工、革。つくり手がそれぞれのテントに、自分の手でつくったものを並べている。
こういう場所を歩くのは好きだ。
お店に並んでいるものとは違って、ひとつひとつに、つくった人の顔がすぐ後ろにある。手に取ると、その人がどこで迷って、どこで決めたのかが、なんとなく伝わってくる気がする。
買うつもりがなくても、見ているだけで楽しい。
そう思いながら歩いていた。少なくとも、そのテントの前までは。
隅に、シロクマ
楽土さんのテントで、足が止まった。
白いおちょこの内側、その隅に、シロクマが一頭寄りかかっている。
両手を胸の前にそろえて、縁にもたれるように立っている。外側には青い線が一本だけ。余計なものが何もない分、シロクマの姿がまっすぐ目に入ってくる。
しばらく、そのまま眺めていた。
私はお酒を飲まない。おちょこを使う場面は、ほとんどない。
だから本来なら、かわいいなと思って通り過ぎるはずのものである。
それでも見た瞬間に思った。このシロクマを、エスプレッソのお風呂につからせたい。
頭の中では、もう絵ができあがっていた。茶色いお湯に肩までつかって、縁にもたれて、ふうと息をつくシロクマ。
一目惚れである。
ほかのシロクマたち
よく見ると、シロクマのおちょこはほかにも何種類かあった。
縁によじ登っているシロクマ。底から顔と手をひょこっと出しているシロクマ。どれも器の中で、それぞれ何かをしている。
正直、少し迷った。どのシロクマにも、それぞれの物語がありそうだったからだ。
それでも最後は、最初に目が合った寄りかかっている一頭にした。
お風呂につかっている姿が、いちばん想像しやすかった。
それに、最初に足を止めさせたのはこの子である。そこは裏切れない。
値段は2300円。イベントなので、少しお値打ちらしい。
楽土さんのものは、オンラインストアでも購入できるそうだ。ほかのシロクマのことは、しばらく頭から離れそうにない。
夜が、楽しみ
家に帰って、おちょこをテーブルに置いてみる。
空のままでも、シロクマはちゃんとそこにいる。会場で見たときと同じ姿で、縁にもたれている。
買ってきた器を最初に使う前の、この時間が好きだ。
どんなふうに使おうか。何を合わせようか。まだ何も起きていないのに、もう少し楽しい。
夜にエスプレッソを淹れるのが、楽しみだ。
注いだら、シロクマは肩までつかるのだろうか。それとも胸のあたりで止まるのか。
量を決めるのは、たぶん私ではなくシロクマの方である。
いい休日を、すこしずつ。
TOOL NOTE
道具メモ
- 道具
- シロクマのおちょこ(寄りかかるシロクマ)
- つくり手
- 楽土
- 価格
- 2300円
- 購入場所
- 浜名湖アートクラフトフェア(浜名湖ガーデンパーク/2026年10月3日・4日開催)
- ほかの種類
- 縁に登っているシロクマ、底から顔と手を出しているシロクマなど
- オンライン
- オンラインストアでも購入できるそう
- 使い道
- エスプレッソ用
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